2016年5月13日 金曜日 16:25 ~ 17:45 第89回 日本整形外科学会学術集会_抄録
会場 : 第11会場 (パシフィコ横浜 アネックスホール 2階)
パネルディスカッション 8 : 強剛母趾に対する診断と治療
強剛母趾に対するcheilectomy
Cheilectomy for hallux rigidus.
町田 英一 (まちだ えいいち)
高田馬場病院整形外科 (Takadanobaba hospital)
【目的】
cheilectomyは標準的な治療であるが、数々の問題点が指摘されている。著者の術式の要点について述べる。
【方法】
2003年から2014年までに著者が行ったcheilectomy122例(男性42例、女性80例)について検討した。手術適応は痛みの強い例、骨棘が明らかに触れる例のみとしている。初期の23例は中足骨遠位の切除、後期の99例は基節骨の関節唇切除を積極的に行った。
【成績】
Cheilectomy は従来の報告と同様に軽度から中等度の結果は良いが重度では可動域と疼痛の改善に限界があった。基節骨の関節唇切除を積極的に行った例の方が改善が優れていた。合併症として、2例は菲薄していた長母趾伸筋腱が術中に切れる症例があり、腱縫合を追加し回復した。現在は手術中に伸筋腱をゴム紐で保護している。
【結論】
X線上では母趾中足骨の骨棘が目立つので切除するが、軟骨損傷は基節骨の骨棘が主因であると考えた。中等度、重度のcheilectomy には限界が有り、術後はローリング・アウトソールの靴が必要である。
どの部分をどの程度切除するかが難しく、軟骨の損傷部から切除部位を決める必要が有る。
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